サーモスタットとは?
サーモ・スタット [Thermo-stat]
サーモスタットは、「温度」や「熱」を表す“Thermo”と「一定にする」と言う意味の“Stat”との合成語です。
サーモは、英語発音であり、ドイツ語ではテルモまたはタームと読まれます。
目的
温度調節器 (コントローラ) | 一定の温度に保つ。 |
---|---|
温度過昇防止器 (リミッター / プロテクタ) |
万一予定外の温度になったとき、熱源を切る。 |
温度検出器 | 予定の温度になったとき知らせる。別な動作を行わせる。 サーモスタットの主な使用目的は、上記のとおりです。 |
旭のサーモスタットはバイメタルサーモスタット
バイメタルで温度を感じ、接点を動作させて電気を開閉(ON・OFF)する温度スイッチです。
温度をコントロール(制御)したり、測る (計測) 装置や素子には、色々な種類があります。
バイメタルの原理とは?
バイメタル(bimetal)の原理は、二つの異なる金属が異なる温度膨張係数を持つことに基づいています。バイメタルは、通常、異なる膨張率を持つ二種類の金属を一緒に接合して作られます。温度が変化すると、これらの金属は異なる速度で膨張または収縮し、その結果、バイメタルストリップが曲がるか、ねじれるといった動きをします。
この特性を利用して、バイメタルは温度センサーや温度制御デバイスに広く用いられます。たとえば、サーモスタットでは、バイメタルストリップが特定の温度に反応して曲がり、電気回路を開閉して温度を制御します。他の応用例には、温度計、火災報知器、または過熱防止装置などがあります。バイメタルのこの動きは、非常に信頼性が高く、シンプルな機構でありながら多くの用途に役立っています。
-
バイ メタル[Bi metal]
2つの金属(低膨張側 高膨張側)をローラーで圧延し1枚の板にする → バイメタル
-
語源
バイ (Bi) は、2 と言う意味の接頭語、メタル (Metal) は、金属です。
-
張り合わせ
冷間圧延、熱間圧延等で圧着 (原子間結合) (接着剤は使わない)
-
材質
高膨張側は、鉄 (Fe) ニッケル (Ni) の合金に添加物程度に Cr , Mn , Mg ,等の金属が入っています。
低膨張側は、『インバー』 (Ni36-Fe) 要するに高側・低側共 主成分は「鉄・ニッケル」です。 -
温度を上げると反り、下げると逆反りします。
-
動きを規制すると、規制した分だけ『カ』を発生する。
サーモスタットでは、接点圧力をはねのける力となる。
バイメタルサーモスタットの種類・用途
種類・構造
積層型 | 部品を積み重ねてリベット止めした構造、ディファレンシャルが小さく温度可変型ができます。 |
---|---|
スナップディスク型 | 樹脂又はセラミックケースの中に部品を組込み、カバーを掛けた構造。 ディファレンシャルは多少大きいが、ローコスト スナップディスクを使用し温度過昇防止に適します。 |
プロテクター型 | 電気回路の中にスナップディスクを組み込み、ケース・カバーを掛けた構造。 温度の他、電流も感知する。温度過昇防止/過電流防止用 |
用途
家庭電気 |
台所用品(ジャーポット、コーヒーメーカー、オーブン、ホットプレート、餅つき機等) 暖房器(電気ストーブ、電気アンカ、電気ごたつ、パネルヒーター、電気マット等) その他(アイロン、ヘアードライヤー、掃除機、ふとん乾燥機等) |
---|---|
家庭用品 | 便座、ウォシュレット、床暖房、バッテリー充電器等 |
ガス・石油 | 風呂釜、給湯器、ファンヒーター、ストーブ等 |
その他 | コピーマシン、自動販売機、自動車、モーターボート、マリンジェット等 |
産業設備 | 工作機械、道路標識、溶接機等 |